ナラボー平原 (Nullarbor Plain)
 
オーストラリアのナラボー平原のレイルウェイをバイクで走った時の写真です。
ナラボー平原を横断するルートは2つあります。
1つは海沿いを走っている国道。
もう1つはインディアンパシフィック号のすぐ横にあるダート道(通称:レイルウェイ)です。

インディアンパシフィック号は「パース」と「アデレード」の間を結ぶ旅客列車で「インパシ」の名で知られています。
(詳しく知りませんが、列車によってはシドニーまで行っているようです)
その横を作業用のダート道が併走しています。
オーストラリアをオフロードバイクで走る人達にはよく知られたダート道です。
このダート道は西側のカルグーリー(Kalgoorlie)から東側のグレンダンボ(Glendambo)まで 1400kmの道のりです。
中間地点となるフォレスト(Forrest)は飛行場で飛行機をはじめ、車、バイクなど全ての旅行者に燃料を提供してくれています。
一応、「Air BP」という名がついていたので、給油所、ガソリンスタンドの役割を担っているはずです。
(ディーゼルだけでなく、unleaded(日本のレギュラーガソリン)もあります)

このナラボーのレイルウェイは 1400Kmのうち、1000kmは何も無く、360度地平線です。
まっすぐなレールが地平線から地平線へと延びているだけです。
朝日、夕日の時間には360度、あたり一面真っ赤に染まります。
車や、コンテナを満載したものすごい長さの貨物列車が地平線のかなたからやってきて、地平線の向こう側に消えていくのです。
期待した以上に「レールウェイ」には何もありませんでした。とてつもなく広い空間だけがどこまでも続いていました。


  1日目 : ナラボー平原へ

カルグーリーのBPにて燃料補給
バイクのタンクに20リットル、予備のジェリ缶に20リットル、計40リットルのペトロを積んで準備万端
いよいよ「レイルウェイ」のスタートラインへ。
ロードコンディションはOK。
1400km 先のグレンダンボへ向けて、いざ出発。

とはいっても、既に夕方だったので数十キロ進んですぐにブッシュキャンプ

 
  2日目 : 360度見渡す限りの地平線

いよいよ大平原らしくなってきた。と思ったら駅に到着。人の気配はするが、人影はなし。
とりあえず、水道があったので休ませてもらおう。
休んでいたら、すごい貨物列車がやってきた。車を3段に積んで、コンテナ貨物も満載。
いったい何車両連結されてるんだろう?
ロードトレインどころじゃない。凄すぎる!

ナラボープレーン
いよいよ360度地平線の世界へ
うわさどおり石の多い道
ロッキーです。

「Longest straight of railway 477.14Km」
477Kmって書かれてもよくわからんが、とにかくまっすぐ。
地平線までまっすぐにレールがのびてます。

無事に1日走り終える。これが一番。
砂埃でブーツもバイクも真っ白に!
夕日ですべてが真っ赤いに染まる。

何はなくとも、まず焚き火。
火がついたら、ご飯の準備。

 
  3日目 : オアシス「フォレスト」を目指して

「Welcame to Forrest」 いよいよ到着。レイルウェイのちょうど真ん中にある「オアシス」へ。

手動式のポンプでペトロを入れてもらいました。ジェット燃料、小型機用燃料、ディーゼル、unleaded すべて揃ってますよ。
かなり高いけど...
ULP(unleaded) $ 2.25
1年間のラウンドで一番高いペトロだった。(もしかして、ハイオク?)

舗装された滑走路。
そして塩気のない冷えたおいしい水。
どちらもオーストラリアの僻地では珍しいです。
雨水かと思ったら地下水を濾過する装置が備わっているそうです。
さすが「Air BP」

ついにキター、パンクチャー
「プシュッー」とすごい音がするので止まってみると、自分のバイクから音がします...
何が起こったのかよくわからず、音がする場所を探してみると、タイヤに釘が刺さってた。
この時はほんとに落ち込んだ。そして途方にくれた...
とにかく、パンク修理するしかないんだけれど。

運よく日陰があったので、そこで修理をすることに。
すると小人さんも日陰で休んでいました。
ちょっとお邪魔しますよ。
しかしこんなところでお店を広げることになるとは...
仕方ないか。

パンク修理終了。どうだこの野郎!
この時の喜びは尋常なもんじゃなかった。
(いいから早くタイヤをはめろっ!)

1日の終わりには、夕日でナラボー平原が真っ赤に染まります。
これを見たら、暑さも、一日の疲れもすべて吹っ飛ぶ。
後は飯食って寝るだけだ。
幸せだぁ~

朝も、昼も、夜も走っています。パースへ荷物を運ぶために。
とにかく長い。

 
  4日目 : まだまだ続く地平線

ナラボー平原で迎えた朝

今日も、どこまで行っても地平線。
地平線の端から端まで届きそうなくらい長い貨物列車。

日陰でひと休み

「Cook」に無事同着。
ホームの水道で顔と頭を洗っていたら「インパシ」到着。
かなりあせった。
人がぞろぞろと降りてきた。
「Cook」にはお土産屋があるのだ。

パースで知り合った「さっきー」と再会。まさかこんな所で。
インパシの中を見せてもらい、クッキーの御裾分けも頂きました。

「出発するから、早く乗れ!」
「俺はバイクだから」
「アハハァ」
そして、大勢の人を乗せたインパシはゆっくりと動き出した。

「Cook」には4人の住人がいるそうです。冷たいオレンジジュースをご馳走になった。
この日は40度近い熱波が来ていたので「泊まっていくか?うまいものも食わせるぞ。」と言ってくれたが、水だけ補給させてもらって出発。

今日も無事走り終えた。
荷物を降ろし、テントを建てて、ご飯を炊く。
至福のとき。

荷台に積まれた「ミルクケース」のシルエットがかっこよすぎる。

 
  5日目 : いよいよグレンダンボへ

ナラボーのレールはほとんど単線だが、すれ違えるように複線になっている場所が所々にある。
ちょうど、すれ違いで停車していた貨物列車に遭遇したので写真を取らせてもらった。
かっこいいヒゲおやじが乗り込む瞬間をパチリッ

パース(西側)から来る貨物はこんな感じでいつもスカスカです。
たぶん、お願いしたらここにバイクごと乗せてくれそうな感じです。

動き出したときに、もう一人の運転手が「救援物資」を投下開始。
デザートつきのフルコースだぁ。
thanks mite !

しかし、この顔はやばい →

スチュワートHW手前、たぶん最後の駅に到着、立派な町だが、住人は数人らしく、ゴーストタウン状態。
まっすぐに伸びたレールもこれが最後か。
このあたりは道も曲がりくねって、起伏もあり、大平原の道は既に終わっていた。

暗くなってきた頃、先のほうにロードハウスとその光が見えた。
そして、羊の牧場があり、水汲み用の風車が夕日の中でまわっていた。
風車の写真を撮り終えてしばらく進むとスチュワートHWに。
達成感、安心感、そしてナラボー平原が終わってしまった寂しさが少し。
長くて、暑くて、とっても広かった1400Kmが終わった。